Interview about grin
~明るく清らかな洋服とその空間~
前回の現CS CORPORATION遠藤社長のインタビューではN/L自由が丘店ができた時のお話を伺いましたが、今回はシーエスコーポレーションのN/Lの次に古いブランドgrinについてブランドの立ち上がりの経緯と自由が丘店についてお話を伺いました。
スタッフT:
まず、grinというブランドができた経緯を伺ってもいいですか?
遠藤社長:
grinは2000年の5月にできたブランドになります。 当時のN/Lは今よりずっとユニセックスでワークウェアのニュアンスが強かったんです。根源にあるN/Lを日常のオフ(OFF)着とした場合、お出掛けやちょっとしたお食事などよそ(外)行きにも着られるカジュアルなオン(ON)着があったらいいね、というのが元々ありました。
スタッフT:
そうだったんですね。確かに現在もワークウエアがベースにあるデザインだと思いますが日常に溶け込みやすいデザインです。前はもう少しワークウエア色が強めだったんですね。
遠藤社長:
加工するというのと天然素材というのはそのままで、grinはもう少しガーリーに、ちょっとよそ行きになるようなデザインで、パターンもワークウェアの様な直線的なものではなく、ダーツを入れたりタイトなサイズ感のワンピースを洗いざらしの生地でやったらかわいいんじゃないかということから考えていきました。それでレディースウエアでありながらもN/Lは男の子っぽい服、grinは女の子っぽい服、両方でやっていこうということになりました。
スタッフT:
なるほど。ちなみにgrinは刺繍だったり色味だったり北欧のテイストというのが入っていると感じますが、それはどういう経緯で取り入れることになったんでしょうか?
遠藤社長:
カラーリングは明るい色を取り入れたいというのがあって、自然豊かな景色が広がるイメージと、デコラティブというよりはちょっと無機質な感じが北欧のイメージにありました。N / Lはちょっと無骨な感じで無機質な、grinはシンプルで無機質なんだけど色が可愛い。そういう意味で北欧のテイストがマッチしてるというのもあります。
2022SS/2023SS 商品
2022SS/2023SS 商品
スタッフT:
自然豊かな景色というのを聞いてその要素が洋服から感じます。明るく清らかさのような。
刺繍やテキスタイルの柄も自然のモチーフが多く入っていますよね。
遠藤社長:
そうですね。テキスタイルにも力を入れようということになって、刺繍の生地や、大ぶりなイラスト柄の生地なども作り始めました。N / Lにはない生地ですよね。先ほど話したようにN / Lは忠実に古着とかワークウェアにデザインソースがあるということで、アメカジとかにあるような小花柄とかペイズリー柄のような、小さい柄を取り入れいることがありますね。パジャマとかアンダーウエアにありそうな。なのでgrinはもっと手描きを基調としたプリントテキスタイルになっています。
スタッフT:
grinの手描きのテキスタイルは伸びやかさを感じますね。おおらかさというような。
それぞれのブランドのコンセプトに合った生地を作って洋服に仕立てているんですね。
遠藤社長:
それとgrinは立ち上げの時の前デザイナーSさんがニットが得意だったということもあって、ニットにも力を入れていました。
スタッフT:
確かに今でもウールに限らずニットのデザインは幅広いですね。
遠藤社長:
もちろん布帛(ふはく:シャツなどに使われる生地)を使った洋服も力を入れていて、N / Lは直線的なパターンが多く、ちょっとぶかっとしたサイズ感、着た時の少し生地が余った感じがかわいいですが、grinはもう少し小ぶりで身体に沿った様なパターンを作っているのが、特徴になっていますね。
スタッフT:
それぞれのブランドの特徴がしっかり差別化できて、シチュエーションに合わせて選択できますよね。
遠藤社長:
オリジナルテキスタイルやニットデザインの技術、パターンの起こし方、色々な側面からカジュアルウェアとしてのブランドが確立していきましたね。
スタッフT:
grinというブランド名ってどういう意味ですか?
遠藤社長:
にこっと笑うという意味ですね。立ち上げた前デザイナーSさんが考えました。にこにこ笑う、笑顔が似合う女性が着る服という思いが込められています。
スタッフT:
グリンっていう音もとても素敵です。
ニコッと笑うという意味が込められてるように、grinの服を着ると前向きな明るい気分になりますね。
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〜光を多く取り入れた開放的な空間の自由が丘店〜
スタッフT:
続いてgrin自由が丘店について伺いたいと思います。
grinの自由が丘店の店構えが好きでずっとお話しを伺いたいと思っていました。
遠藤社長:
grin自由が丘店ができたのが2005年の5月になります。店舗が入っている建物の大家さんが自由に使っていいですよとおしゃってくれたのもあって、入口もちょっと変わった間取りになっています。出来上がった当時は住宅街にポツンと店舗があるという通りだったんですが、今では区画の規制で1階はお店を入れなくちゃいけないんですね。なので今はいろんなお店が立ち並ぶ通りになっています。
スタッフT:
あの特徴的な入り口がどう考えられて作られたかずっと気になっているんです。
遠藤社長:
この店内も当初のgrinの立ち上げの時の前デザイナーSさんのデザインですね。内装を施工したのは雑貨店も営んでいる大阪の会社の社長様で広島店も同じ方にお願いしています。
スタッフT:
元々お知り合いだった社長様にお願いできたのも、店作りの意思疎通ができてより良い空間にできたのかもしれないですね。広島店も伺ったことありますが、お店に共通する雰囲気がありますね。
遠藤社長:
入り口がすぐ店内に入るという様な作りではない間取りは考えて作りました。ガラスも多く取り入れられていて、自然光が十分入り外の景色も感じられるのは、北欧の屋内の明るさを大切にしているところや、清潔感だったり、外の雰囲気と一体になれるというイメージはありますね。
スタッフT:
あと、お店がクローズした時のシャッターがとても可愛くてお店にマッチしていますよね。
遠藤社長:
閉めても中が見える、シャッターが縦ではなく横開きになっているというのも外国のお店をイメージしてこだわりましたね。
スタッフT:
やはりそうなんですね。なかなか見ないシャッターです。
遠藤社長:
当時のデザイナーSさんに直接色々聞いてみましょうか?
スタッフT:
え?いいんですか?
ちょっとドキドキ…(電話でインタビューを続行)
こんにちわ。初めまして。
Sさん:
こんにちわ。
スタッフT:
今grin自由が丘店の店舗の作りのことを伺ってて、grin自由が丘店の店構えがとても好きで、何かベースになるイメージとかそういうのはあったのでしょうか?
Sさん:
元々海外行くのが好きなので、入り口の踊り場のような空間は海外の学校とか図書館とか公共施設のようなそういう雰囲気を参考にしました。店内だけど”外” という空間を作りたかったんです。
スタッフT:
なるほど!公共施設!
Sさん:
今はないですが、店内に壁から空間に出ているように立て付けてた時計もありましたね。公共施設にある様な両面見える時計ですね。ちょっとクールな感じにしたくて、あまりお洋服屋さんっぽくならないようにしました。
スタッフT:
公園とか駅とかにある様な、両側から見える時計ですね。
Sさん:
コンクリート打ちっぱなしであったり、床が少しざらっとしてたり、海外の洋書なども色々見て参考にしましたね。中から外を見た時の景色だったりとか。入り口にすぐお洋服があるというような感じじゃない方がいいかなと。
遠藤社長:
(踊り場のような)導入のような部分があった方がいいものね。
Sさん:
扉の開け方でディスプレイの配置も決められたり、そういうところが面白いかなと思いました。
遠藤社長:
この3枚の大きな引き戸式の扉ね。
スタッフT:
大きいですよね。これも木のフレームガラス戸が開放感を感じます。
Sさん:
奥の部屋(ストックルーム)に続く扉も、”まだ奥に何かあるよ”という様な扉にしたり。
スタッフT:
空間に奥行きを感じますよね。
Sさん:
そうですね。窓越しの花壇に緑があったり、そういったところも。レディースの洋服の店舗ですが、けっこう男性も気になって店舗を覚えてくれたりするみたいです。grin自由が店の場所を説明すると”あぁあのお店ね”って
一見お洋服の店舗に見えないようなクールな佇まいが男女問わず気になると思います。
grinの洋服の魅力もとても際立って見える空間です。
色々お話しありがとうございました!
grinのお洋服から感じる女性らしい明るく清らかな雰囲気は、洋服を作る様々な思いや技術、コンセプト、またそれを見せる空間、あらゆる要素でイメージで出来上がっていき、また皆様に洋服を通じてその世界観をお伝えできているのかなとお話しを通して感じました。
grinのお洋服選ぶときに思い出していただけたら嬉しいです。
また、grin自由が丘店・広島店にもぜひ足をお運びくださいませ。
grin 自由が丘店
- 〒158-0083
東京都世田谷区奥沢5-20-18
tel.03-5731-9833
open-close 11:00-19:00
定休日 毎週水曜日
grin 広島店
- 〒730-0036
広島県広島市中区袋町4-6 1F
tel.082-504-7752
open-close 11:00-19:00
定休日 毎週水曜日
※定休日や営業時間は状況により変更する場合がございます。
インタビュー・編集・写真 / スタッフT