イマジネーション料理部 #30
EPISODE 30
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー 食感、甘さがそれぞれで、どっちもいいから両方で ー
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
琥珀色の紅茶がたっぷり入ったマグを片手に、スマホを手に取るUちゃん。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリ・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : とくに何もしてないよ、いまちょうど紅茶をいれたところ。 最近紅茶がお気に入りなんだ~
K : いいねぇ。 やっとあたたかい飲み物をメインにしたい季節になってきたよね。
U : うん、秋が来てるなって感じ。
K : 秋といえば、美味しいものも食べたいし、ちょっとぬくぬくの服も着たいし、いろいろ楽しいお出かけもしたいなぁ。
U : 涼しくなるにつれて落ち着いた雰囲気に変わっていく自然の風景を眺めるだけでも、お出かけし甲斐があるよね~
K : いや、ほんとに。 ねぇ、ところでUちゃん、いまハマってるものある?
そう、相変わらずKちゃんの話は急展開。
でも、もちろんUちゃんは即答する。
このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。
U : あるよ。
K : もしかして、紅茶に合う何かとかかな?
U : ほぅ。 Kちゃん最近スルドイね。
K : わ! 今回はあたり??
U : 紅茶に合わせるためではなかったけど、いちじくって絶対紅茶に合うよね。
K : へぇ~いまは「いちじく」なんだ。 いちじくってよくお菓子とかにも使われてるし、紅茶にも合いそう。
U : いちじくはフレッシュな果肉のピンク色も可愛いし生でも美味しいんだけど、火を通すとまた全然違う味わいになって、それもまた楽しいの。
K : ふぅん。 生でも火を通しても・・・どんなふうに食べてるのか詳しく教えて~
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。
U : いまわりといちじくが手に入りやすい時期だと思うから、なるべく新鮮なのを入手してね。
K : わかった。 新鮮さも美味しさの一部だったりするもんね。
U : 今回は、生のものと加熱したものの色と食感の違いとか、それぞれの甘みの違いも楽しめる食べ方だから、フレッシュ感も必須だよ。
K : そうんなんだ。 なんか手の込んだものみたいだね・・・
U : あはは。 じつはすごく簡単で、むしろ手抜き感あり。 でも美味しいの。
K : お!意外にも簡単なのか。 それはいいね。
U : まず大きめのいちじく一つを手で3~4分割ぐらいにほぐして、生で食べる分と、加熱する分を分ける。
K : あら! いちじく一つでできるレシピなんだね。
U : そ、食べたくなったらチャチャっと作って食べ切れる感じも最高。 加熱する方は果肉側に砂糖をつけて、その面を下にしてフライパンで焼くよ。
K : 砂糖のついた側を直接フライパンに?
U : うん。 中~弱火で加熱してると徐々にふつふつしてくるから、様子を見ながらしばらく放置。
K : 大好きな放置。 砂糖はなんでもいいの?
U : いいよ。 わたしは甜菜糖かグラニュー糖を使うことが多いけど、それぞれ違う風味になって美味しいよ。 加熱したいちじくは即席のジャムみたいになるから、カリッカリに焼いたトーストに乗せて食べると最高のおやつになるんだ~
K : おお、カリカリトーストに乗せて食べるの美味しそう。 生のやつはどうするの?
U : それもトーストに乗せて食べる。
K : あははは。 こっちは未調理でトーストオンなんだね。
U : そうだよ。 いちじくが味わい違いで2種類あるっていうのがポイントで、全く違った食感と風味になるからちょっと贅沢感あるよ。 わたしは小さめのバゲットをにカリカリに焼いたのに乗せてカナッペ的に食べるのが好き。
K : ほ~!なんだかパーティー気分。 ねぇねぇ、フライパンで焼くときは焦げやすかったりしないの? 砂糖をつけた側を直接焼いて・・・。
U : 加熱するといちじくから水分が出てくるからすぐに焦げたりはしないよ。
K : ふ~ん、そっか。 なら焦る必要なさそうで、ちょっと安心。
U : すごく贅沢感出したいときは、バニラアイスを添えるときもあるよ。
K : げ! そんなの無限に食べられそう。
U : そうなの。 贅沢すぎて美味しすぎるからいまは自粛中なんだけど。
K : えらいね。 食いしん坊のUちゃんにも自粛の概念あったんだね。
U : もちろんあるよ。 秋は美味しいものが多くて食べすぎる季節だから、Kちゃんも気をつけてね。
K : わかった。 気をつけながらいちじくカリカリトーストのせ、やってみる~
U : うん。 やってみて~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
お気に入りの紅茶の香りを胸いっぱいに吸い込み、ゴクリとひとくち。
この紅茶は冷めても香りがいいし美味しいから最高なんだよね~
近ごろ、このタイミングにはKちゃんから電話がかかってくることを(やっと)察し始め、
今日は冷めても楽しめる飲み物を準備して、ちょっぴり大人の対応。
美味しいものを美味しくいただきたい気持ちは忘れない、あくまでも食いしん坊なUちゃんなのでした。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです