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N/L 2023 Autumn&Winter “a little far” FEATURE vol.3

FEATURE vol.3
Peoplewend

 


写真提供:wend

 

 

家具と人。

 

いい家具ってなんだろう? そう考えたときにまず頭に思い浮かぶのは、どんな人が作っているか、ということです。たとえば毎日座りたいと思うのは、おおらかな椅子。
それでいて、細や
かなところに手が行き届いた繊細なディテール。家具ブランド〈wend〉の櫻井智和さんは、まさにそんな人でもあります。

 

日々のおいしい時間を共に過ごすダイニングテーブルや、いい顔同士が集まるラウンドテーブル。ちょっとしたコーヒー&ティーブレイクに最適なミニテーブル。手に取った本をその場で読んだり、レコードやCDで音楽を聴いたり、玄関で靴を履いたりするのにもちょうど良い、瞬時に“最小単位の居場所”を作ってくれるスツール。

 

それぞれにこだわりが詰まっていて、ものは違っても全てが櫻井さんそのもの、といった印象があります。作り手“らしさ”が全面に出ているというわけではないのに、不思議です。別の捉え方をするならば、限りなく使い手に近い目線で考えて作られているともいえるでしょうか。家具にふれることで、素直に心地良い感覚になれることや、細部に宿る丁寧な仕事こそが、〈wend〉の家具職人・櫻井さんの人柄が表れているようにも感じます。

 

今回のシーズンルック“a little far”の舞台となった神奈川県二宮町。〈wend〉の家具は、前回の記事でご紹介したベーカリー〈ブーランジェリー ヤマシタ〉でも使われていて、櫻井さんも普段からパンを買いに来るのだそう。ある人はパンを作り、ある人は家具を作る。そして何かあれば、手を取り合う。同じ街に住みながら、お互いの仕事をリスペクトし合えるからこそ生まれる関係性。この、自然で肩肘張らない感じもかっこいい。自分たちが住む街で、ローカルに根ざして生きることを体現している人たちに対しては、どこか憧れに近い眼差しを向けてしまうと同時に、自分自身の住む街についても考えてみたくなります。

 

 

写真提供:wend

写真提供:wend

 

今回のルック撮影は、〈Boulangerie Yamashita〉さんのお店と〈wend〉さんの素敵なショールームや家具をお借りし、とても和やかに行うことができました。私たちを快く受け入れてくれた皆さんの魅力や、二宮という街ならではの空気感や居心地の良さを、少しでも感じていただけるようでしたらうれしいです。

 

 

 

〈wend〉主宰の家具職人・櫻井智和さん(左)_シンプルな白の「オックスs ファーマーシャツ」を合わせた、モノトーンカラーのコーディネート。太い横糸が織り込まれたハリとコシのあるオリジナル素材を使ったファーマーシャツは、アメリカの農夫が着ていた作業服をベースにしています。

櫻井あゆみさん(右)_智和さんの妻・あゆみさん着用の「ベイカーシャツ」はブラックも展開。ミニマムなシルエットはパンツともスカートとも好相性。

 

 

 

7231T-203  オックス ファーマーシャツ ¥12100(税込み)

 

 

 

7234T-008  オータムタイプライター ベーカーシャツ ¥13200(税込み)

 

 

 

 

写真:N/L

 

 

今回の撮影で初めてお会いしたあゆみさんは、元々〈NATURAL LAUNDRY〉の洋服を愛用してくださっていて、15年前ぐらいにご購入くださったという「スラブニット」を、撮影でお伺いしたときに見せてくださいました。ちょうど企画したデザイナーもその場に立ち会っていて、驚きと喜びに包まれた瞬間でもありました。こんな偶然の出会いや洋服との再会があるなんて……!と一同、感激。二宮では素敵なご夫妻との嬉しい出会いがたくさんありました。ロケハンや撮影のときに、ときどきひょっこり顔を出してくれた看板猫(工房猫ともいう?)の「くろべえ」と「ぎん」がとてつもなく可愛く、癒されました。

 

 

写真提供:wend

写真提供:wend

 

 

shop Data

wend(ウェンド)

https://www.wend-furniture.com/

Instagram:@wend_furniture

 

 

 

Photo_Shinnosuke Yoshimori

Text_Haruka Inoue