”コスプレ”からはじまるデニム物語 【後編】
interview / 営業Sさん
【 “コスプレ” からはじまるデニム物語 / 後編 】
MALKのまわりの人たちを、インタビュー形式で気ままに紹介するこちらのコラム。
初回のゲストは、社内でもヴィンテージ好きとして名が挙がる営業のSさん。
前編ではSさんが古着やデニムを好きになった原点を探ることができましたが、
お話はまだまだ続きます。
今回の後編では、普段の着こなしやお気に入りのアイテムについて、より日常に近いエピソードをお届けします!
pic/ 営業Sさん

/ おしゃれは気遣い
—— Sさんを見てるとお洋服が好きなのが伝わってくるんですけど、何かマイルールみたいなものってあるんですか?
Sさん「うーん、ありますね。トップスはジャストサイズで、ボトムスは太め、っていうバランスが好きです。 あとは、やっぱり古着が多いので、汚く見えないように気をつけてますね。おじさんなんで(笑)。 シャツや靴はきれいなもの選んで合わせるようにしてます。」
—— なるほど笑。そのバランスが大事なんですね!
Sさん「あと、自分の中では “時代をまたがない” っていうのもあって。たとえば、50年代のデニムにその時代にないデザインのシューズやスニーカーは合わせないです。時代が飛んじゃうので。」
—— ……おぉ!まさに “コスプレ” 的思想じゃないですか!
Sさん「そうそう(笑)。おしゃれな人はそこをミックスできると思うんですけど、自分は30〜60年代くらいの好きなスタイルの枠の中で楽しむタイプですね。」
—— ……さすがです!
Sさん「あ、娘ができてから思ったんですけど、服を選ぶって気遣いだなって。」
—— ほう、どんな時にそう思ったんですか?
Sさん「学校行事とか、誰かと会うときとか。昔は完全に自分の好きだけで選んでたんだけど、今は家族に合わせることも増えましたね。」
—— なるほど、娘さんっていうのも大きいもしれませんね。 外的な要因で変わっていくの、面白いです。
Sさん「うん。 そのちょっと限られた中でも、自分なりのこだわりとか説得力があればいいかなって思ってます。 とにかく清潔感を大事にしていますね(笑)。……おじさんなんで(笑)。」
Sさん「そういえば、子どもの頃 お袋に、” 古くてもいいから清潔なものを着なさい ” ってよく言われてたんですよ。いつどこで誰に世話になるかわからないからって。」
—— 素敵な言葉ですね。
Sさん「お袋は10人兄弟で、その中に文化服装学院に通っていた姉妹も何人かいたみたいです。 それもあってか、昔はよく買ってきた古着を修理とかしてくれたんですよね。 お袋は ” ミッチーブーム ” があったように、今の上皇后 美智子様にも憧れてて、僕が幼稚園の頃はダッフルコートにローファー履かされてました(笑)。」
—— その頃からもう完成されてますね(笑)。Sさんが服好きになったのが納得できた気がします。
pic1/ 終始照れくさそうに話すSさん①
pic2/ 終始照れくさそうに話すSさん②
/ 着こなしにひと手間
—— デニムを穿くときのこだわりってありますか?
Sさん「太いパンツが好きなので、ぎゅっとベルトで締めて穿きますね。 余ったところを前に寄せてシワつくると、後ろ姿がきれいに見えるんです。 あと、ちょっと後ろを上げて前を下げる感じにすると、バランスよく見える気がしてます。」
—— へぇ〜! なんだか着物を整える感覚に近いですね。
Sさん「たしかに、そうかもしれないですね。」
—— Sさんはいつもロールアップしていますよね。こちらについても聞いていいですか?
Sさん「そうですね、自分は軽くロールアップして穿いてます。新品のジーンズを丈詰めする場合はチェーンステッチで仕上げてもらってますね。糸調子の強さで締まりが出て、丸みのある好きなシルエットになるんです。」
—— へぇ〜!そうなんですね!
Sさん「これは想像だけど、当時(50年代)の学生はサイズとかレングスとかそんなに気にせずに、大きめを買って普通にロールアップして穿いてたんじゃないかなって。なので基本的にレングスは直さないですね。」
—— ははぁ!当時の自然な着方からの、今のロールアップスタイルだったんですね!
pic/ それぞれの色に育った、SさんのGジャンコレクション。
/ 思い出が染み込んだGジャンたち
—— 今日持ってきていただいたGジャンについても教えてください。
Sさん「これは25,6歳のときにデッドストックで買ったやつで、だいぶ着たのでこんな色になりました。これを着てた当時、リーゼントしてポマード使ってたんで、襟が黄ばんでます(笑)。」
—— リーゼント!かっこいいですね!!
Sさん「ちなみに、僕が好きなのは、50年代に流行った 七三分けで後ろ刈り上げ のリーゼントです(笑)。ローラー族とかではないです(笑)。」
—— おぉ!Sさんのリーゼント見てみたいです!
Sさん「このピンバッジは初めてアメリカへ行った時に、ロサンゼルスの空港で、 ” お金を寄付してください ” って声をかけてきた人から1ドルで買ったピンバッジです。アメリカ行くならそういうの気をつけなよって言われてたんですけど、可愛くてつい買ってしまいました(笑)。」
—— たしかに、かわいいです。旅の思い出ですね。
Sさん「その小さめのはそのとき奥さんに買ったやつです。」
—— (着させてもらいながら) ほんとだ!すごいコンパクトですね!
Sさん「次は娘が着れたらいいなと思ってます。」
—— あらやだ、すてき!
pic1/ Sさんが初めて買ったデニムジャケット。
pic2/ ロサンゼルス空港での思い出のピンバッジ。
pic3/ コンパクトサイズのGジャンに袖をとおす staff M.S。
/ NATURAL LAUNDRYのデニムに感じる”語らないこだわり”
—— 自社のデニムについてはどうですか?
Sさん「このセルビッチデニムを最初に作る時、当時在籍していたデザイナーと話したんです。 彼も古着好きで、仕様書を見て ここはこうした方がいい とか少し意見を言わせてもらいました。なので思い入れはありますね。」
—— たとえばどんなところですか?
Sさん「ポケットのステッチは無い方がいいとかかな。昔のデニムの復刻感が強くなると、わざとらしさが出ちゃうような気がして。あんまり主張しすぎない方がいいなって。」
—— そういう意図があったんですね。
Sさん「他にもディテールのポイントはいろいろあるんですけど、それをあえて語ってないのもいいなと思ってます(笑)。」
—— こっそり感がいいですね(笑)。
Sさん「ね。すごく手が込んでるのに、こっそりしてる(笑)。」
Sさん 「このセルビッチデニムを穿いた人たちの話を聞くと、”厚めでしっかりしてるけど、それでもパターンが良いから、穿いててラク”
って言ってくれました。」
Sさん「デニムパンツってやっぱりすごい。なんでも合うし、僕は魔法のパンツだと思ってます。」
pic/ NATURAL LAUNDRYのセルビッチデニムパンツ
/ わたしのマイブーム
—— Sさん、今日はありがとうございました!
最後に、このインタビューシリーズで恒例にしたい質問がありまして、最近のマイブームを教えてください!
Sさん「そうですね〜。最近は昔好きだった曲を探してます。サブスクに出てこない曲も多いから、昔の仲間に、” あのCD持ってたよね? “って連絡したりもしてます(笑)。車を買い替えたのもあって、ハードディスクにいっぱい詰め込んでるところです。」
—— そうなんですね!音楽もデニムも、あの頃の ” 好き ” が続いていますね。
◾️取材後記
” コスプレ” という言葉で語られるSさんのスタイル。
Sさんにとって デニム は単なる衣服ではなく、憧れた50,60年代の空気をまとえるツールとして存在してるのがわかりました。
多くを語るわけでもなく、自然体なのに確固とした美意識を感じる Sさん。
こういう静かなこだわりが、NATURAL LAUNDRYのものづくりのどこかに、確かに息づいています。
さて、
MALK インタビューコラムはいかがでしたでしょうか。
次回もまた、気ままにMALKのまわりの人たちを紹介していきます!








