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染工場を見に行った話

前回 さて次はどうしようか の話

 

 

 

 

vol.9 染工場を見に行った話

 

 

 

 

またまたお久しぶりです!

 

スタッフSです。

今回は井原を飛び出して、東京の染工場にお邪魔しました。出張 井原探求所です!

 

 

 

現在販売中のアズマツイルシリーズは東京の染工場さんで生地を染めて頂き、その後井原工場にて縫製をしてみなさまにお届けしています。

 

 

 

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アズマツイル  ファーマージャケット

 

アズマツイル  フラスタムパンツ

 

 

 

 

 

 

こちらの生地の特徴はなんと言っても揉み込まれた独特の風合い。
一体どうやってこの表情と優しいタッチが生まれるのか。
今回は、その秘密を探ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

東京の下町、住宅街の中に静かに佇むこちらの工場さん。
創立74年の歴史と確かな技術力を柱に持つ、信頼のある工場さんです。

それでは早速、工程を見せて頂きます!

 

 

と、その前に染めについて簡単な説明を。

 

染色で洋服に色をつける方法はいくつかあります。

 

 

・生地にする前の糸を染め、染めた糸で生地を織り上げる『糸染め』

・生成りや白の糸を生地にしてから染める『生地染め』

・生成りや白の生地を使って、洋服に仕立てその後に染める『製品染め』
(他にもプリントなど、色々ありますが、大まかにはこんな感じです)

 

 

今回使用するアズマツイルは、この三つのうち 生地にした後に染色をする『生地染め』にあたります。

 

 

アズマツイルの独特な風合いはこの生地染めの工程によって生まれています。

生機(キバタ)と呼ばれる染める前の生地は、バーバリーというとてもハリコシのある丈夫で綺麗な表面感の生地です。

 

 

 

元々の生地の風合いもぜひ皆さんに触ってみて頂きたいですが、、、、

とにかくコレがコレになるの?と不思議に思うくらい、染める前と後で変わります。

 

 

 

 

 

 

さて気を取り直しまして、、、

最初の工程は、生地の小分けです。

 

染める前の『生機』と呼ばれる生地は110mほどの長い規格が多く、このままでは染色機に入らなかったり十分に染色液に浸せない為、4等分して小さい巻物にしていきます。

m数を測りながら丁寧に手で転がして巻き直していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

四つに分けた小巻の生地をほぐしてから染色機に入れていきます。

通常の染色よりも低温で長時間かけて染めているそうです。

時間をかけて炊き上げることによって、揉み込まれた優しい生地の表情が生まれます。

 

 

 

 

 

 

事前に調合しておいた染料たち。生地によって染まり方も変わるため、全ての生地のデータを細かく取っています。

 

染料の使用量は、染めるものの重量と浴比によって決まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒸気がモクモクと立ち込める染工場らしい風景。

伺った時期は11月でしたので、気温もちょうどよかったですが、真夏を想像すると、、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

染め上がった生地は2人がかりで取り出し、脱水機にかけ、工場の2階に運ばれます。

水を含んだ生地は想像を絶する重さです。

 

 

 

 

染めた後の生地が触れる機械やワゴンは使う度に水で丁寧に洗っていました。
移染という生地の色移りや、汚れを防ぐ為です。

 

 

 

 

 

2階に運ばれた脱水後の生地は、
またしても手作業でほぐしてから一定の幅で蛇腹状に畳みます。

 

なんと畳んだ生地の四隅を手縫いしてバラバラにならねいように束ねていました。手作業の多さに驚きです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四隅が縫われた後は、その形のまま乾燥機にかけます。乾燥機をかけることでふっくらした仕上がりになります。また製品になった後に洗っても縮みにくくなるというメリットもあります。

 

 

 

 

 

今回の取材では乾燥後の工程を見ることはできませんでしたが、乾燥後は最初の工程で小分けにした場所で、生地を巻き直して完成だそうです。今度はなんと3人がかりで!

 

 

生地を整えながら、ゴミを取りながら丁寧に仕上げられるとのこと!
な、なんて手間のかかっている生地なんでしょう、、、、

 

 

 

 

 

私の想像よりずっと手作業が多くて、ずっと時間のかかる作業でした。

 

今回の取材の初めに、職人さんがおっしゃっていた『私たちは特別変わったことをしているわけではないけれど、時間と手間をかけることで、この風合いが生まれるのです』というお言葉がどういう意味だったのか、今になってよくわかりました。

 

 

 

風合いを出す為だけに、時間をかける手間をかける。
それを丁寧に丹精込めて作業する。

 

 

 

本当に頭の下がる思いです。

ものづくりも  きっとそれ以外のことでも、効率化と速度が求められている現代において、時代に左右されない芯のある職人さん達に  私たちの服の一端を担って頂けていることがとても誇らしくなりました。

 

 

 

高級な原料や美しいデザインは、確かに贅沢の一つだと思います。
今回取材させて頂いて感じたのは、それらとはまた違う、時間と手間をかける贅沢。

 

 

 

 

丹精を込めて、丁寧に作るということは大変に贅沢なことではないでしょうか。

 

 

 

そんな『贅沢』が詰まった生地で洋服を仕立てました。
是非この風合いを手に取って感じてみて下さい。

 

 

※加工の工程上、生地にランダムなシワが入ることがありますが、素材の特性としてお楽しみいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

文:スタッフS

 

 

 

※ 写真は生地を2階に上げる職人さんの後ろ姿

 

 

 

 

 

 

 

<今回のコラムでご紹介したアイテム>

 

 

 

| アズマツイル ファーマージャケット(7251J-008)

 

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| アズマツイル フラスタムパンツ(7251P-005)

 

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