イマジネーション料理部#31
EPISODE 31
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー ふわふわカーリーをまあるく盛って、とろ~り卵で召しあがれ ー
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
ちょっと不思議な顔をしながらスマホを手に取るUちゃん。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリ・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : とくに何もしてないよ。 ちょっと不思議に思うことがあって、そのことをぼんやり考えてた。
K : ふぅん、不思議に思うことって?
U : うちにある観葉植物たちのことなんだけど、みんな種類も大きさも全然違うのに新芽を出すのがほぼ同じ日なのは、どうしてなのかなぁ?って。
K : 新しい芽が出てくるタイミングがどの植物も同じってこと?
U : そう。 みんな示し合わせたみたいに同じなの。 最初は偶然だと思ってたんだけど、あまりにも毎年同じ気がして不思議だなぁって。
K : Uちゃんが知らない間に、みんなで決めてるのかもね。 ねぇ、ところでUちゃん、いまハマってるものある?
そう、相変わらずKちゃんの話は急展開。
でも、もちろんUちゃんは即答する。
このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。
U : あるよ。 ふわふわカーリーケールの卵のせ。
K : ふわふわかーりーけーる? 何それ?
U : あれ? Kちゃんケールって聞いたことある?
K : あ、ケールなら知ってるよ。 色が濃いキャベツとかレタスみたいなやつでしょ?
U : そうそう。 それのカーリータイプが出回ってるの見たことない? 葉先がチリチリした縦長の大きい葉っぱで、ユーカリみたいに綺麗な薄緑色の葉野菜。
K : あ、見かけたことあるかも。 わりとボリュームがあって数枚が束になって売られてたりするやつ。 近所のスーパーに置いてあったような・・・
U : 多分それ! 生でも美味しいんだけど、火を入れると甘くなるし、ゆで卵をソース代わりにして食べるっていうのがすごく美味しいよ。
K : へぇ~ ケールって何となく苦そうな気がしてたかも。 その美味しい食べ方ちょっと教えて~
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。
U : まず、卵は「沸騰7分たまご」にしてね。
K : え!? なにそれ? 今日は知らない名前ばかり出てくる・・・ふっとうななふんたまご?
U : あははは。 「沸騰7分たまご」は「冷蔵庫から出してすぐの卵を沸騰したお湯に入れて7分茹でるとかなりいい感じの半熟卵になってる」ってやつで、調理方法を短縮した呼び方だよ。
K : なんだ。 「沸騰7分たまご」は、Uちゃんが独自の用語なのか。 Uちゃんが好きな感じの半熟ゆで卵ってことね。
U : そう。
K : え! 「冷蔵庫から出してすぐの卵を沸騰したお湯に入れて7分茹でるといい感じの半熟卵になってる」の?
U : なってる。 もっとトロトロにしたい時は6分くらいかな。 それより前だとまだ加熱が足りてない感じ。
K : ほ~、聞き流すところだったけど案外使える豆知識だったわ。 それから?
U : それが準備できたら、あっという間。 カーリーケールを一口大にちぎって洗って、ちょっとだけ水を入れたフライパンで加熱。
K : 油じゃなくて水を入れて加熱するの?
U : うん、軽く蒸し焼きみたいな感じ。 加熱し過ぎない方が美味しいから、蓋はしないで葉っぱが全体的に濃い緑色に変わったら火を止めて、水分が残ってたら水気は切っておいてね。
K : ふむ。 あれ? 味付けは?
U : これから、これから。 まず、カーリーケールはふわふわカールしてて可愛い葉っぱだから、まあるく鳥の巣みたいにお皿に盛り付けて。 その中心に半分に割ったとろ~り半熟卵をそっとのせる。
K : あ! なんか可愛いげだし、いきなり美味しそうな感じしてきた。
U : で、とろ~り半熟の黄身部分にナンプラーを2滴くらい垂らすの。 ナンプラーは垂らしすぎると塩辛くなるから、お好みで調整してね。
K : とろ~り部分にナンプラーを数滴ね。
U : さらに粉チーズをたっぷりかけて、お好みで白胡椒をふったらできあがり。
K : お、粉チーズかけるんだ。 美味しそうかも。
U : 卵を崩しながら、黄身と粉チーズをふわふわのカーリーケールに絡めながら食べるのが楽しくて美味しいよ~
K : わ~。 とろ~り半熟の黄身と粉チーズとナンプラーの部分がソース代わりになってるんだね。
U : うん。 もしナンプラー無かったらお醤油でもまた違った美味しさだよ。 ちょっと加熱したカーリーケールは甘くなるししっかりしたお味だから、塩分は控えめがオススメ。
K : カーリーケールの味って全く知らない気がするけど、食べてみたい感じしてきた。
U : 味は、キャベツとブロッコリーとほうれん草のお友達って感じかな? 90年代くらいにテレビCMやってた「マズイ、もう一杯!」っていう飲み物でのケールのイメージを覆す美味しさだから、興味あったら食べてみて。
K : そうなんだ。 ふわふわカーリーな葉っぱに卵を乗せたらすごく鳥の巣感が出そうだし、盛り付けもなんだか愉快そう。
U : 鳥好きのKちゃんは、きっと見た目も気に入ると思うな。
K : ほんとだね。 こりゃ、断然カーリーケールを試したくなってきたよ。 早速探しに行ってみる~
U : うん、近所のスーパーにあるといいね!
K : ありがと、またね~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
いつの間にか天井まで届くほどの背丈になっていたお気に入りの観葉植物の葉っぱを見あげ、
ピカピカと立派な葉を四方八方に伸ばすどっしりとした鉢植えや、
繊細な香りのする小さな葉をわさわさ茂らせる鉢植えなど、
いつも可愛がっている植物たちが元気に育っている様子をじっくり眺める幸せなひととき。
今年も秋の始まり頃一気に新芽を出し、いまやひとまわり大きくなったその姿を嬉しく思いつつも、
「Uちゃんが知らない間に、みんなで決めてるのかもね。」というKちゃんの何気ない一言が、
ちょっぴり気になっているUちゃんなのでした。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです