イマジネーション料理部#26
EPISODE 26
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー キラキラアスパラは、途中のソースで ー
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
お気に入りのウールコートをトートバッグに詰めながらスマホを手にするUちゃん。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリ・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : いまちょうどクリーニング行きの冬物アウターをバッグに入れてたところ。
K : そうなんだ。 いまからクリーニング屋さん行く?
U : いまからは行かないよ。 明日の朝持っていく予定。
K : そっか。 冬物をクリーニングに出すと「暑い季節に向かってるんだ」って感じするよね。
U : するする。 「今年もあの季節が来てる」って感じする。
K : あはははは。 あの季節。 ねぇ、ねぇ、Uちゃんいまハマってるものある?
そう、相変わらずKちゃんの話は急展開だ。
でも、もちろんUちゃんは即答。
このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。
U : あるよ。 アスパラ。
K : アスパラって美味しいよね~。
U : うん、大好き! 嬉しいことに旬のアスパラお届け便があって、いままさに夢中になってるところ。
K : 旬のアスパラお届けかぁ、いいなぁ。 Uちゃんは、アスパラ茹でる派? 炒める派? 焼く派?
U : 断然、炒め焼き派。
K : ほぅ、どんな味付けにするの?
U : あーーー! そういえばね!! シーザーサラダの途中のソースで食べてみたら、すっごく美味しかったの!!!
K : なんか急にテンションあがっててちょっと怖いけど、シーザーサラダの途中のソースって何のこと!? どういうやつか教えて~
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。
U : わたしって、シーザーサラダよく食べてるでしょ?
K : あ、テンション戻ったね。 そういえば確かに、Uちゃんってシーザーサラダ好きだなぁって思ってたよ。
U : シーザーサラダは大好きだから、自宅でも自分好みのドレッシングをつくって食べたりしてるんだけどね。
K : え! ドレッシング作るなんて手間がかかりそう・・・
U : いや、全然そんなことなくて、Kちゃんもほとんど家にある材料でできちゃうんじゃないかと思うよ。
K : あら、そうなんだ。
U : ドレッシングの材料は、プレーンヨーグルト、マヨネーズ、粉チーズ、すりおろしニンニク、黒胡椒、あればレモンの絞り汁を少しって感じなんだけど。
K : 粉チーズだけないや。
U : そうなの! わたしもこの間つくってる途中で粉チーズがないことに気がついてね・・・
K : むむ、それが「シーザーサラダの途中のソース」発見につながったとか!?
U : そう。 仕方ないから粉チーズ以外の材料でいつもと配合をちょっと変えてみたら、美味しくていろいろ使えるソースになってすごくラッキー。
K : へぇ~。
U : マイブームの炒め焼きアスパラとの相性も最高だったし、粉チーズを準備し忘れてて良かったっていうくらいの気分。
K : ねぇ、ちょっとそのソースの配合、簡単に言ってみて。
U : え・・・いつも感覚でつくってるから配合を真剣に考えたりしてなかったけど・・・ プレーンヨーグルトとマヨネーズが大さじ2:1くらい、すりおろしニンニクは小さいのひとかけ分くらい、黒胡椒はたっぷり、レモンの搾り汁はお好みでって感じかな。 シーザーサラダのドレッシングより、にんにくと黒胡椒が効いててサッパリしてる感じ。
K : その材料を混ぜるだけ?
U : うん。 オリーブオイルで炒め焼きしたアスパラって緑が綺麗でキラキラしてすごく可愛いし、途中のソースとの相性もバッチリ。
K : キラキラのアスパラっていうのも良いね。 そういえば、アスパラって包丁で切らずに手で折るといいって聞いたことある。
U : あ!わたしもそうしてるよ。 新鮮なアスパラはパキッと折れて楽しいし、折るときの感触も結構好き~
K : わかる。 新鮮野菜は、触れた感じもシャッキリ、フレッシューっていう雰囲気満点で気持ちがいいよね。
U : これからの時期、いろいろサッパリ食べたいときにも合いそうな途中のソースだから、すごくいいよ。
K : 途中のソースっていう名前で呼んでるんだね。
U : ほんとだ。 名前のこと全然気にしてなかった。
K : Uちゃんに名前は無意味だもんね。
U : 全然覚えられないからね。 途中のソースでいいでしょ。
K : いまうちにある材料でできそうだから、早速作ってみようかな。
U : うん。 インゲンとか、ジャガイモとか、ブロッコリーとかにも合って美味しかったよ。
K : いいね。 じゃあ、家にある野菜に合わせてみようかな。 あ、アスパラあったかも!
U : それは最高。 じゃ、またね~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
部屋の隅に2つ並んべた大きなトートバッグを、試しに両方の肩にかけてみながら、
「明日の朝こんなふうに2つもバッグを抱えて移動するとしたら、手荷物はリュックだな。」などとつぶやきながら、
「それにしても、冬ってこんなに厚手の服を着てたんだっけ??」と、本気で訝しんでいる様子。
毎年のことながら、暑い季節がやってくると一気に寒い時期の記憶を忘れてしまう自分が可笑しくて、
ゲラゲラ笑いながら明日の準備に取りかかる、自由奔放なUちゃんなのでした。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです