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イマジネーション料理部#25

 

 

EPISODE  25

「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動

ー パリパリピリリ、爽やかな粉でとまらない ー

 

 

ジリリリリリーン   ジリリリリリーン   ジリリリリリーン

 

のどかな休日の昼下がり。

MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。

どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。

 

ジリリリリリーン   ジリリリリリーン   ジリリリリリーン

 

イテテテテ・・・と呟きながら、ホフクゼンシンでスマホに向かうUちゃん。

 

ジリリリリリーン   ジリリリリリーン   ジリリリリ・・

 

U : はい。

 

電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。

 

 

K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?

 

U : とくに何もしてないんだけど、今日はとにかくすごい筋肉痛で足が動かせない・・・

 

K : え~!? じつはわたしも。

 

U : あ、やっぱり? この間の登山、案外足にキタよね。

 

K : キタキタ! 山登り自体は最高だったけど、日頃の運動不足を痛感してる。

 

U : 毎日わりと歩いてるつもりだったけど、山に登るときは動かす筋肉が違うものなのかなぁ? アイタタタ・・・

 

K : あははは。 筋肉痛、わたしより酷そうだね。 ねぇ、ところでUちゃん、いまハマってるものある?

 

 

そう、相変わらずKちゃんの話は急展開だ。

でも、もちろんUちゃんは即答。

このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。

 

 

U : あるよ。 ちょっと前にかなり好みの粉に出会っちゃって、とにかくそれに夢中。

 

K : 粉!? 意味深すぎて、電話切りたくなるんだけど・・・

 

U : 全く意味深ではないから大丈夫だよ。 パリパリ手羽先の素揚げにかけて食べるとほんと最高だから。

 

K : わたし、パリパリ手羽先の素揚げっていうメニューは絶対好きそう。

 

U : 粉のほうも好きだと思うよ。

 

K : うむ。 そろそろ粉の正体が知りたいなぁ。

 

U : だよね。 じつは粉の正体は山椒なの。 綺麗な黄緑色で、ピリリと痺れて、爽やかな柑橘の香りも感じられる「仁淀川山椒」ってやつ。

 

K : 柑橘の香りを感じる山椒なんてあるんだ!? で、黄緑色! パリパリ手羽先素揚げの爽やか山椒がけのこと詳しく教えて~

 

 

Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。

つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。

 

 

U : まず、手羽先は軽く塩ふって放置。 

 

K : あ、山椒の話から始まるのかと思ってたよ。

 

U : うん、でも仁淀川山椒の話を始めたら終わらなくなっちゃうからね。 好きすぎて。

 

K : そうなんだ。

 

U : フライパンに水分をよく拭いた手羽先を重ならないように並べて、ヒタヒタくらいの油を注いでコンロに火をつける。

 

K :  油を注ぐのは手羽先を並べてからでいいんだね。

 

U : いいよ。 油が沸々してきたら、弱火~中火くらいに火加減を調節して、高温になりすぎないように注意しながら皮がパリパリになるまで放置。

 

K : 出た! 揚げ物も放置。 

 

U : 放置だけど、コンロからは離れないでね。 油が高温すぎなければ、中心が生焼けで周りだけ焦げ焦げとかいう失敗はないから安心だよ。

 

K : そっか。 揚げ油は何でもいいの?

 

U : いいよ。 わたしは大好きな山椒の風味を存分に楽しみたいから、米油にしてる。

 

K :  米油ね。 山椒の風味のためか。 相当夢中だね。

 

U :  そうだよ。 仁淀川山椒って高知県にある仁淀川っていう清流付近でとれるらしいんだけど、やっぱりそんな澄み切った味がするんだよねぇ。

 

K : え! 清流まで感じちゃうような澄み切った味なんだ。

 

U : 清流のせいなのかは知らないけど、「ピリリと良い感じに痺れて、爽やかスッキリ~大好き~」って感じ。

 

K : なんか贔屓目がすごそう。 「大好き~」ってところは主観がすごいし。

 

U : じっくり揚げて皮がパリパリになった手羽先の素揚げにとにかく合うよ。

 

K : それは確かにそんな感じする。 パリパリの揚げ物にピリリと山椒は最高そうだし、さらに柑橘系のスッキリ感ってすごく美味しそう。

 

U : 揚げ物ってレモンとか柑橘果汁とも相性バッチリだけど、仁淀川山椒だとパリパリをパリパリのまま食べられるっていうのも良いんだよね~

 

K : なるほど! 粉状だから、手羽先の素揚げの食感もパリパリのままなんだね。

 

U : そうそう。

 

K : ところでその山椒、ちょっと珍しそうだから手に入りにくいのかな・・・?

 

U : どうだろう? ネットでも入手できると思うよ。 わたしは、この間たまたま通りかかった高知物産展みたいなやつで入手したけど。

 

K : わぁ、そういうの楽しいよね~ 全国美味しいものフェアみたいなの、見かけるとつい立ち寄っちゃう。

 

U : うん。 わたしも絶対寄っちゃう。 明日の出勤時までに普通に歩けるようになってるのかがかなり不安だけど、山椒のお裾分け持っていくね。

 

K : やったー! そしたら早速手羽先だけ先に買いに行こ~っと。

 

U : 手羽先に伸びる手がとまらなくなるおいしさだよ。

 

K : ありがとう、わかった。 筋肉痛お大事にね~

 

U : kちゃんもね~

 

 

 

 

のんびり穏やかな休日の昼下がり。

 

イテテテテ・・・

 

奇妙なホフクゼンシン体勢で、ジリジリとキッチンに向かうUちゃん。

 

足の痛みに堪えてどうにか立ちあがり冷蔵庫から取り出したのは、先日まとめて買っておいた手羽先。

 

なんと、前代未聞の筋肉痛に悩まされながらも、パリパリ手羽先素揚げの準備を始めるようだ。

 

夢中になっている粉(仁淀川山椒)のおかげで、いつだって食いしん坊魂に火がついてしまうUちゃんなのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある休日の昼下がり

MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動

それが、イマジネーション料理部

 

つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ

 

一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を

Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?

 

この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です

次回もどうぞお楽しみに

 

※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです