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イマジネーション料理部#24

 

 

EPISODE  24

「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動

ー 香り豊かなモコモコグリーン、海老スタイルだとこうなるの!? ー

 

 

ジリリリリリーン   ジリリリリリーン   ジリリリリリーン

 

のどかな休日の昼下がり。

MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。

どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。

 

ジリリリリリーン   ジリリリリリーン   ジリリリリリーン

 

すっかり乾いたミモザの枝を、そっとテーブルに置きスマホを手に取るUちゃん。

 

ジリリリリリーン   ジリリリリリーン   ジリリリリ・・

 

U : はい。

 

電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。

 

 

K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?

 

U : いまちょうど、ミモザドライを飾る場所を考えてたところだよ。

 

K : ん? ミモザドライ??・・・・ああ!このあいだ買ってたミモザの花束、ドライフラワーになったんだね。

 

U : うん、ドライもまたかわいいから、どこに置こうか悩ましいよ~

 

K : Uちゃん、ミモザ大好きだもんね。 綺麗にドライになって良かったね。

 

U : 今年はふわふわの花も、結構モコモコのままで、いい感じに乾いて嬉しいよ。

 

K :  ねぇ、ところでUちゃん、ミモザドライ以外でいまハマってるものある?

 

 

そう、相変わらずKちゃんの話は急展開。

でも、もちろんUちゃんは即答する。

このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。

 

 

U : あるよ。 パセリと海老。 パセリは頭チリチリのやつ。

 

K : あははは。 頭チリチリパセリ。 イタリアンパセリとかじゃなくて、モコモコの方ね。

 

U : そう。 あのパセリ見てると、いつも「そろそろクルクルパーマにしようかな?」って思っちゃう。

 

K : え! Uちゃんが時々カーリーヘアにするのって、パセリに影響受けてたの!?

 

U : え! そいうえば、そうなのかも。

 

K : で、そのパセリをどうしてるの?

 

U : 海老焼きにしてる。 パセリたっぶりの海老焼き。

 

K : へぇ。 海老とパセリの味の組み合わせって、想像してみたら、なんか美味しそう。 どうやってるか教えて~

 

 

Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。

つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。

 

 

U : まず、念のため「海老焼き」のこと紹介しておくけど、先輩は「たこ焼き」と「お好み焼き」だからね。

 

K : なんと!?意外にも粉物だったんだ。 合わせるのがパセリだし、なんとなくオーブン焼き的な洋風のものを想像してたよ。

 

U : そういうのとは違うんだよ。 パクッと食べやすい「たこ焼き先輩」の良いところと、手軽につくりやすい「お好み焼き先輩」の良いところを、海老スタイルで作ってみたのが、海老焼きなの。

 

K : ふむ。 まだハッキリと具体的なカタチが見えてこないけど、一口サイズのお好み焼きみたいなものかな?

 

U : そうそう、その通り。 すごいね、海老焼きへの理解力がすごく高いみたい、Kちゃん。 それさえわかれば、あとは説明も簡単。

 

K :  そうなんだ。

 

U : まず、海老は厚みを半分にして、とにかく平らな状態にして使うのが美味しくつくる秘訣だよ。

 

K : 海老は平らなカタチが美味しさの秘訣か。 それって生のものを使うの?

 

U : 生でも茹でてあってもどちらでもいいよ。 海老の背中が曲がってまあるいシルエットに見えるほうが出来上がりが可愛いけど、スーパーでお寿司用に開いて売ってる茹で海老とかでも大丈夫。

 

K : とにかく薄くなってるのがマストなんだね。 

 

U : うん。 で、パセリは茎を除いてみじん切り。 火が通ると量が減るから、たっぷりあるといいよ。 いま旬の時期で大量パックをお安めに売ってたりするから、そういうのが手に入ったら良いかも。 

 

K :  確かに。 パセリって好きなんだけど、料理のメインっていうより付け合わせのイメージだから、大量に買うのは躊躇してた。

 

U : パセリたっぷり海老焼きの美味しさを知れば、大容量を恐れなくても大丈夫だよ。

 

K : そうだね。 勇気が湧くね。

 

U :薄い海老と刻んだパセリが準備できたら、 卵と片栗粉と水を1:1:1くらいの分量でよく混ぜて生地をつくるの。 で、それに片手に山盛りいっぱいのパセリを混ぜ込んで、油を熱したフライパンにスプーンとかで一口大に丸く敷いて、上に海老を乗せる。

 

K : ふむ。 ねぇ、生地の分量が1:1:1ってことは、卵1個とかだったら、片栗粉と水は大匙2ずつくらい? あと、粉は片栗粉なんだね。

 

U : うん、中くらいの卵ならそのくらいの量かも。 粉は小麦粉でも良いし、なんでも好きな粉を使って大丈夫。

 

K : 粉、自由なのいいね。 いま家に片栗粉ない気がするから、小麦粉でやってみよっと。

 

U : 材料はパセリと海老がメインで、衣は薄いほうが美味しいから、あんまりいっぱい用意しなくて良いからね。 卵1個分で薄切り海老6枚分くらいの感じかなぁ。

 

K : そうなんだ、わかった。 で、海老を乗せたら?

 

U :下側の面にうっすら火が通ったら、火が通りすぎないうち早めにひっくり返して、ぎゅーって上から押さえる。

 

K : ほぅ、ぺったんこに潰すんだ。

 

U : そう。 そうすると、衣が少なめでも全体に行き渡るし、材料によく火が通っていい感じなの。 で、そのまま両面こんがり焼き色がつくまで焼いたら完成。 パセリと海老の風味があいまって、そのまま食べても美味しいんだけど、ごま油で焼いて酢醤油にちょっとラー油を混ぜたタレで食べるっていうのも最高だよ。

 

K : 私、ごま油で焼いて酢醤油ラー油で食べるの好きそう~ 想像するに、パセリたっぷり海老焼きは、海老の丸くて平べったいシルエットを活かしたカタチでもあったんだね。

 

U : そうなの! すごすぎるよKちゃん、この海老焼きについては、教えることはない脅威の理解力を発揮してるね。

 

K : そう? やっぱり日頃のイマジネーション訓練の賜物かな? えへへ。

 

U : いやはや、恐れ入ったよ。 パセリたっぷり海老焼き、たぶんKちゃんも好きな味だと思うからやってみて。

 

K : うん、やってみるね。 褒めてくれてアリガト。 またね~

 

U : うん、また明日~

 

 

 

 

 

のんびり穏やかな休日の昼下がり。

 

綺麗にドライになったミモザの枝をあらためて眺めつつ、お気に入りアイテムを並べている棚にそっと置いてみるUちゃん。

 

ミモザって葉と花の色の組み合わせも大好きなんだけど、

 

やっぱりこのふわモコな花のカタチも可愛いんだよねぇ・・・と、しみじみ。

 

あれ!もしかすると、わたしが時々くるくるパーマヘアにしたくなるのって、

 

パセリのモコモコもそうだけど、ミモザのふわモコも影響してるのかも!?

 

どうでもいいひらめきに、何故だかちょっぴり満足げ、相変わらず能天気なUちゃんなのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある休日の昼下がり

MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動

それが、イマジネーション料理部

 

つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ

 

一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を

Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?

 

この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です

次回もどうぞお楽しみに

 

※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです