イマジネーション料理部#17
EPISODE 17
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー ジャクジャクキュウリを冷たいお出汁で ー
ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからかお馴染みの着信音(イヌの鳴き声)が聞こえてきます。
ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン
コンロの火をとめて電話を手に取るUちゃん。
ワン・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : いまちょうどコンロの火を消したところだよ。 お出汁とってたの。
K : この暑いなか、お出汁とってたんだ!?
U : 最近お出汁を冷やしておくのにハマってるんだ。
K : あれれ!? 今日は、Uちゃん自らいまハマってるもの言っちゃった!
U : あははは。 Kちゃんて、いまだに私が最近ハマっているものに興味持ってるんだね。
K : もちろんまだ興味持ってるよ。 ところで、その冷やしたお出汁はどうやって食べてるの?
Kちゃんは相変わらずUちゃんの自炊料理に興味津々。
いつもはまず、Uちゃんの最近ハマっているものを聞き出すところから、この週末イマジネーション料理部はスタートするのだ。
U : とにかくいろいろ。 お塩も入ってるお出汁の場合はそのまま冷たいスープとしても食べてるし、まったく夏は冷やしお出汁に限るよ。
K : ほう。 そのまま冷たいスープにできると思ったら、いつかのメニューの一品としてつくっておくのも良いかも。
U : スープにする場合は数滴お醤油たらしたり、刻みネギとか薬味を入れるだけでも美味しいよ。 最近は、数分煮出すだけの手軽な出汁パックとかも多いし、日本全国のいろんな味を試したりもしてるんだ。
K : へぇ~ ちょっとした旅気分も味わえそうだし、なんだか楽しそうだね。
U : カツオとか、アゴとか、イリコとか、コンブとか、シイタケとか、材料の組み合わせによっても味わいが全然違うし、それぞれ美味しいから夢中になっちゃう。
K : 確かに! 旨味の味比べしてるなんて、ちょっと通っぽいね。
U : ふふふふ。 素材の旨味だけを生かした出汁パックを使えば簡単で本格的だし、大好きな夏野菜とも合うから常備してる。
K : へぇ。 夏野菜と合わせるっていうの興味あるな。 どんなふうに食べてるのか教えて~。
このところイマジネーション料理にすっかり馴染んだKちゃん。
電話でつくり方を聞きながら、Uちゃんの自炊料理の様子を想像するのが楽しくなってきたようだ。
U : このところ頻繁に食べてるのが、キュウリの冷たいお出汁がけ。
K : キュウリのお出汁がけ・・・ キュウリと冷たい出汁っていうのはわかったけど、できあがりの様子が全く頭に浮かばないなぁ。
U : うむ。 わたしが適当にやってみたら美味しかったっていうメニューに勝手につけた名前だから、浮かばなそう。
K : あはは。 それならそうだね。 まず、キュウリはどんな感じなの?
U : キュウリは、薄切りの輪切り。 2ミリくらいに切ると、頬張ったときにジャクジャクっていう食感になって、それも最高。
K : ジャクジャク? パリパリじゃなくて? しかもジャクジャクの食感って初めて聞いた。
U : あ、切ったキュウリは塩をするって言うの忘れた。 余計な水分が出て、ちょっと下味もついて、良い感じのジャクジャクになるよ。
K : そっか、塩かけると水分抜けるもんね。 その薄切りをまとめて食べるとジャクジャクなんだ。
U : 夏はキュウリが美味しいし、一袋に4~5本入ってるのを買ってきて、全部それにしちゃう。
K : え! そんなにいっぱい!? わたし無類のきゅうり好きって訳ではないから、食べきれるかな・・・
U : 塩するとかさが減るから案外余裕だと思うよ。 とにかく全部薄輪切りにして袋とかに入れて、軽~く小さじ1くらいの塩をまぶして、しばらく冷蔵庫に放置するだけだから簡単だし。
K : あ、思ってたより塩少ないね。 しかもギュギュって揉まなくて良いんだ。
U : 揉まなくてもいいよ。 塩は少なくしておけば後から水洗いしなくていいし、他の料理にもつかいやすくて便利だよ。 キュウリの大きさによってはもっと少なくても良いかも。
K : そっか。 揉まなくても、塩少なめでもちゃんと水分出るんだね。
U : しばらく放っておけばいつの間にかしっとり美味しくなってるから大丈夫。
K : 薄切りにする以外はキュウリと塩と冷蔵庫に任せておけば良いなら楽ちんだね。
U : うん。 それができたらキュウリから出た水分を絞って、適当にかつおぶしをまぶして山盛りにするの。 で、好きな薬味を好きなだけと冷やしたお出汁をたっぷりかけたら出来あがり。
K : いきなり出来あがったね。 山盛りにするとなんだか気分があがりそう。 かつおぶしと薬味は、いつもの通り好きなものを好きなだけってやつだね。
U : そうそう。 わたしの場合は、花かつおをひと掴みとミョウガと胡麻をたっぷりがお気に入り。 それをご飯にかけて即席の冷汁みたいにするのも美味しいよ。
K : ご飯と合わせて冷汁風か。 それも良さそうだね。
U : キュウリの冷たいお出汁がけは、もちろんそのままおかずにしても良いし、麺に合わせても最高。
K : わぁ~確かにうどんとかにも合いそう。 見た目も涼やかそうだし材料も身近なものばかりだから、早速いまから夜の準備しておこうかな。
U : キュウリ4~5本はあっという間だから!
K : いや、ほんとそんな気がしてきた。 なんか楽しみ。 じゃ、またね~
U : うん、またね~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
少し冷めてきたお出汁を保存容器に移し替えながら、透き通った綺麗な液体をじっと見つめるUちゃん。
煮出す材料によって全く違った色になるのも、お出汁を冷やすのにハマりあらためて実感したことの一つ。
そしてこれがお出汁だと知らなければ、まるで美味しそうなリンゴジュースにも見えるという不思議。
リンゴジュースの味を思い出していたら、想像のなかでお出汁と味が混ざって、なんとも言えない気分になってしまったUちゃんなのでした。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです