イマジネーション料理部 # 29
EPISODE 29
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー お塩をふって放置なら、手軽に美味しくラッキーです ー
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
シャリシャリと梨を頬張りながら、スマホを手に取るUちゃん。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリ・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : ちょうど梨食べてたところだよ。
K : えー! この間電話したときは桃食べてなかったっけ? いいな~
U : ほんといいよねぇ。 最近「夏の疲れを癒す」という魔法の言い訳のもと、フルーツ天国やってるよ。
K : ふうん。 でも、確かにちょうど夏の疲れが溜まっている時期でもあるし、そういうのもいいかもね。
U : いいよ。 すごくいい。
K : ああ、わたしも梨食べたくなってきたよ。 ねぇ、ところでUちゃん、いまハマってるものある?
そう、相変わらずKちゃんの話は急展開。
でも、もちろんUちゃんは即答する。
このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。
U : あるよ。
K : ねぇ!もしかして、今回は梨を使ったメニューなんじゃない?
U : 全然違うよ。
K : え・・・
U : 最近ハマってるのは、とにかくピーマンをどっさり美味しく食べるっていうメニューなの。
K : むむ・・・ピーマンか。 どんな風に美味しく食べてるの?
U : いまは鯛のお刺身と合わせるのが一番好きかな。
K : お刺身と!そういうのならいいかも・・・? どんな感じでつくってるのか詳しく教えて~
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。
U : Kちゃんて、もしかしてピーマン苦手なの?
K : あ、バレた? 子供のときの「苦い野菜」っていう印象からずっと苦手な気持ちがあって、ちょっと避けてるとこあるかも。
U : じつは私も、子供の頃はそんなに好きじゃなかったんだけど、大人になったらあの苦味に魅せられてるよ。
K : ふむ。 最近は普通に食べられるようになってるから、もっとやればできるのかも。
U : ピーマンって何個も入ってる袋売りが多いから、好きじゃないと買うのも躊躇するしね。 でも、このメニューなら一気に5個くらいは消費しちゃよ。
K : へー、それなら一袋買っても余らなくていいかも。 お刺身は大好きだから、それと合わせるっていうのも興味わくし。
U : うん。 お刺身は白身がオススメ。 わたしは鯛が好きなんだけど、なんでも好きなのとか、その日に手に入ったもので大丈夫。
K : 白身魚のお刺身ね。
U : まず、ピーマンは種を除いてから細かく千切りして塩ふって放置。
K : でた!塩ふって放置。 その制度、ピーマンにも適用してるんだね。
U : してるしてる、何にでも適用してる。 で、お刺身も塩ふって放置。 水分が出てきたら拭き取って、ピーマンみたく細切りにするよ。
K : ピーマンは「切ってから塩」で、お刺身は「塩してから切る」なんだね。
U : そーそーその順番。 それぞれしっかり水切りしたら、ごま油をまわしかけてゴマをかけて和えたら出来あがり。
K : あ、急に出来あがった。 ごま油和えなんだ。
U : でも、ポイントはお塩なの。 塩を振って水切ると味もギュッとした感じになるから、ごま油だけでも美味しくなってすごくラッキー。
K : 味付けはごま油だけなの?
U : 味が薄かったら塩とか足してもいいけど、すでに全体的にほんのり塩味がついてるから、ごま油とごまだけでも大丈夫だと思うよ。
K : そっか。 ピーマンにもお魚にも塩してるんだもんね。
U : そう。 ピーマンは、5個使っても塩した後にぎゅーっと絞ると、あれれ?っていうくらいの量になるから、思ってたよりもいっぱい食べちゃう。
K : へ~。 とにかくこの料理は塩振って放置がポイントなんだね。
U : しかもピーマンっていっぱい食べると、体がすごくスッキリした感じがしてなんかいいんだよね~
K : あ、その感じはわかるかも。 野菜の苦味とか辛味ってなんとなくスッキリ感あるもんね。
U : うん。 唐辛子をモリモリ食べるのは無理だけど、ピーマンなら大丈夫!
K : 確かにそうだね。 ピーマンの積極的袋買い、挑戦してみるよ。
U : 大人になったKちゃんは、このメニューならきっとピーマンいっぱい食べられると思うよ。
K : わかった。 ありがと~
U : またね~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
シャリシャリ食感の続きを楽しみながら、ついでに梨をじっくり観察し始めるUちゃん。
野菜とか果物、植物をよ~く見ていると、それぞれ個体によって全く違った個性があるのもとても面白くて、
うっかり油断していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
ねぇ、Uちゃん、窓の外もうっすら暗くなりかけて、さすがにお昼にむいた梨は食べごろを逃しつつある気がしますけど・・・
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです