イマジネーション料理部#8
料理研究家でもプロの料理人でもないただの自炊料理人Uちゃん。
UちゃんとKちゃんの会話を通じて織りなすお料理ストーリーがはじまります。
お料理の中に遊び心があるUちゃんにMALKスタッフも興味深々!
今回はさらにUちゃんらしさと楽しさで溢れていますよ!
EPISODE 8
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー 焦がしバター醤油と白い円柱 ー
ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからかお馴染みの着信音(イヌの鳴き声)が聞こえてきます。
ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン
大きくカットした梨を頬張りながら電話に出るUちゃん。
ワン・・
U : はい。
電話の主はいつも通り、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : とくに何もしてないよ。 梨食べてたところ。
K :わ〜いいなぁ。 梨って美味しいよね。
U : 梨とか葡萄とか美味しい果物の出回る季節だから、このところお財布と相談する機会が多くなってる。
K : わかる。 果物って日常のちょっとした贅沢品だもんね。
U :うん。 いまの時期はいろんな面で味覚の秋と勝負してる感じ。
K : あはは。 確かに。 ねぇ、秋の味覚と勝負中のUちゃんは、いまハマってるものある?
そう、Kちゃんの話はいつだって急展開。
しかし、そんなことは全く気にせずUちゃんは即答する。
U : あるよ。
K : 果物かな?
U : 果物もいいけど、ハマってるのは白い円柱。
K : 白いえんちゅう?
U : そう。 それを集めて焦がしバター醤油でっていうのが最高。
K : 焦がしバター醤油はわかるけど、えんちゅうって何のこと? あと、あつめる?
U : 円柱状の食材のことだよ。 最近特に好きなのは長芋かなぁ。 輪切りにしてね。
K : えんちゅうは、野菜の輪切りのことなんだ! それをどうしてるって言ったの?
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を聞きだすことも、すっかりクセになっているようだ。
U : いろんな食感の白い円柱を集めてバターでじっくり焼いて、食材もバターもこんがりしてきたら最後にちょっと醤油を加えるの。 で、じゅわじゅわ〜ってしつつお皿へ・・・
K : じゅわじゅわ〜ってすごく美味しそうな響き。 で、いろんな食感のというのは、長芋だけじゃなくて、いろんな白い野菜を輪切りにして焼くってこと?
U : Kちゃん。 白い円柱は、野菜とは限らないよ。 想像してみてよ、世の中の白い円柱について。
K : 世の中の、白い円柱について・・・。 なんだか壮大な話になってきたね。
U : 例えば、帆立の貝柱。
K : あ、確かに。
U : そしてエリンギ。
K : 本当だ。 軸の部分が、白い円柱だ!
U : それから、海辺の灯台。
K : え!?
U : あははは。 これはただの想像。 まだまだあるよ、白い円柱。 ギリシャの神殿の柱、きりたんぽ、白いクレヨンとか飛行機とか素麺とか。
K : ・・・Uちゃんはいつも楽しそうだね。
U : そうだね。 わりといつも楽しいかもね。
K : で、その中から食べられそうな白い円柱を選んで料理してるんだ。
U : そう。 いまハマってるのは、長芋と帆立の貝柱とエリンギ。 見た目が似ていれば似ているほど食べるとき楽しいよ。
K : どうして?
U : 口に入れて噛むまで、これ何かな〜?ってワクワクするから。
K : なるほど。
U : あと、白い円柱の食材って焦がしバター醤油味に合うと思わない?
K : そうなのかなぁ・・・? いまは即答できないけど、あとでちょっと想像してみるよ。
U : 白とこんがりした茶色と焦がしバターの琥珀色、それにちょっとネギとか緑色のものを加えると、見た目も綺麗で美味しいよ。
K : ふむふむ。 いろどりも美味しさの一部だもんね。
U : そういえば、最後にスダチを加えるのが一押しだよ。
K : ほう。 確かに柑橘の味と香りを加えるの美味しそう。 緑色のスダチをお皿に添えたら綺麗そうだし。
U : お!その通り。 コッテリ、サッパリ、コラボでバッチリ。
K : わわ!韻踏んでる!?
U : ふふふ。 芸術の秋。
K : あははは、それいいね。 じゃ、早速白い円柱について考えてみるよ。 またね〜
U : またね〜
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
梨を頬張り、しゃりしゃりした食感にあらためて魅了されるUちゃん。
そういえば、「白い円柱」みたいな見た目の話は、みんなある程度共通で認識できるけど、食感(例えば、このしゃりしゃり感)に関しては、みんな実際はどんなふうに感じているんだろう・・・?
答えの出ない謎に思いを巡らせつつ、引き続き秋を満喫するのでした。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです