イマジネーション料理部#33
EPISODE 33
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー カリッと甘い柿ならば、お手軽サラダはいかがでしょうか ー
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
両手に乗せたオレンジ色の何かをそっと籠に戻し、スマホを手にするUちゃん。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリ・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : いま? ちょうど柿とみかんの重さを比べてたところだよ。
K : かきとみかんの重さ比べ? 全く違う果物の重さを比べてもあんまり意味なさそうだけど・・・
U : まさにその通り! 全く何の意味もない時間だったよ。
K : あはははは。
U : あはははは。
K : ねぇ、ところでUちゃん、いま何かハマってるものってある?
そう、相変わらずKちゃんの話は急展開だ。
でも、もちろんUちゃんは即答。
このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。
U : あるよ。 柿料理。
K : かき料理? かきは、重さ比べしてた果物の柿だよね。
U : そう。 木になるほうの柿だよ。
K : 柿料理かぁ。 料理ということは、皮を剥いてそのまま食べるってわけじゃないんだね。
U : うん。 いま特にハマってるのは柿と春菊のツナサラダ。
K : おお!サラダにするんだ。 Uちゃん、ツナサラダ好きだもんね。
U : 甘くてカリッとした柿を、ほろ苦春菊と合わせていつも通りツナサラダにしてみたらすごくいい感じだったの。
K : いまの時期の春菊ってほんと美味しいよね。 柿との合わせ方もちょっと教えて~
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。
U : 「旬の美味しい果物を手に入れたなら、旬の美味しい野菜と合わせてみるべし」
K : 何それ!? いきなり教訓風?
U : あははは。 謎の巨匠っぽいでしょ。
K : うん。 すごく謎の巨匠っぽかった。
U : まず、このツナサラダは、甘くてカリッとした柿を使うのが一番のポイントで、それを一口大にカット。 春菊は適度な大きさに手でちぎって、ツナは適度に水分をきっておくよ。
K : 甘くてカリッとの柿を使うのがポイントね。 味付けは?
U : 味付けはいつもの感じで、何でも好きなオイルと米酢、胡椒、ツナの味によってはちょびっと塩を足す感じ。
K : 使うオイルによっていろんな味を楽しめそうだね。 Uちゃんはオイル、何使ってるの?
U : このメニューにはオリーブオイルを使うことが多いかな。 でも、ごま油にしても美味しかったよ。 あと、胡椒は白胡椒がオススメ。
K : オリーブオイルと白胡椒ね。
U : で、材料の下準備ができたら、全部まとめてボールに入れて、よ~く和えるだけで完成。
K : あら、材料さえ揃えたら簡単にできちゃうね。
U : そう。 しかもいまの時期に手に入りやすいものばっかりだから、美味しくて簡単で、オレンジとグリーンの色合いもすごく綺麗だし、ほんと最高。
K : いいねぇ。
U : ところで、最近の春菊ってほろ苦さのなかに甘味もあって、昔より食べやすくなってる気がするんだけど、気のせいじゃないよね?
K : 確かに。 ちょっと前までは加熱して食べるのが主流だったイメージだけど、最近はサラダでも食べられるのすごいよね。
U : お馴染みの野菜も、知らない間にいろんな食べ方ができるように改良されたりしてて嬉しい。
K : お野菜博士みたいな人がいろいろ研究してくれてるのかな?
U : そうかもね。 みんなが美味しく食べられるように密かに頑張ってくれてるのかもね。
K : あー!そういえば、昨日ご近所の人に柿もらったんだった。
U : おお、ついてるね。 早速春菊と柿のサラダもできるね。
K : ツナは缶詰が家にあると思うから、早速美味しそうな春菊探しに行こ~っと。
U : うん。 葉がピーンってしてる、新鮮なやつがあるといいね。
K : そうだね。 最近見つけたあの元気な八百屋さんに行ってみようかな。
U : 行ってみて行ってみて! じゃ、またね~
K : またね~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
オレンジ色のまあるい果実を再び両手に乗せ、質感も味も全く違う果実、柿とみかんについて、何やら真剣に悩み始めたUちゃん。
ピカピカぎっしり、まったりと濃厚な甘さを隠し持った柿・・・
ころんとずっしり、ジューシーな酸味と甘味を隠し持ったみかん・・・
どちらも全く引けを取らないこのオレンジの玉達の魅力・・・
じつに優劣つけ難い・・・
冬の果実の王者を(Uちゃんが勝手に)決める戦いは、まだまだ続きそうな予感です。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです