イマジネーション料理部#23
EPISODE 23
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー しっとり素質を活かしたマッシュで、味つけだってお気楽に ー
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからか、昔懐かしい黒電話の音が聞こえてきます。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリリーン
シューシュー元気な音をたてて蒸気を吹き出す鍋をチラリと確認し、スマホを手にとるUちゃん。
ジリリリリリーン ジリリリリリーン ジリリリリ・・
U : はい。
電話の主はお馴染み、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : 里芋蒸してるよ。 ちょうど圧力鍋の火を止めたところ。
K : へぇ~、Uちゃん圧力鍋で加熱してるんだ!
U : うん、最近はね。 でも茹でたり電子レンジだったり、場合によっていろいろだよ。
K : おお、レンチンもできるのか。
U : ほかのお芋もだいたい同じ感じじゃないのかなぁ? たぶん。
K : ふぅん。 ねぇ、そしたらUちゃんがいまハマってるものって、もしかして・・・?
そう、相変わらずKちゃんの話は急展開。
でも、もちろんUちゃんは即答する。
このタイミングで聞かれる「ハマってるもの」は、自炊料理のことに決まっているのだ。
U : 里芋だよ。
K : やはり! 蒸した後はどうするの?
U : え〜〜熱々のお芋にお醤油を垂らして食べるのも大好きなんだけど、最近のお気に入りはマッシュだな。
K : ほほぅ、里芋をマッシュするのか。 マッシュといえばジャガイモって感じしてた。
U : だよね。 でも、もともとしっとりしてる里芋って、マッシュされる素質バッチリなんだよね。
K : ふむ。 言われてみれば、確かにそんな感じするわ。
U : で、いまは特に「里芋マッシュに明太子を和える」っていうのにハマってるの。
K : 「里芋マッシュの明太子あえ」美味しそう。 どうやってるか教えて~
Kちゃんは、なぜかいつでも同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
つくり方を尋ねるのも、すっかりクセになってしまったようだ。
U : 里芋明太子マッシュは、超簡単。
K : いいね。
U : 材料は里芋と明太子のみ。
K : おお!材料2種。
U : あ、海苔もあると美味しいから、刻み海苔をトッピングするとしたら3種か。
K : マッシュポテトの場合は、牛乳とかバターみたいな、なめらかコク出しみたいなのは必須のイメージ。
U : でも里芋なら、よ~く蒸して、ヘラとかフォークとかで潰すだけでなめらか食感になるから便利だよ。
K : それは便利だ。
U : しかもマッシュした里芋ならではのねっとり、もちもち食感もすごく魅力的。
K : 食べたい。
U : 味つけは、塩気も含めてすべて明太子にお任せだから、とにかく気楽に好きなだけ混ぜ込んでみて。
K : 濃いめの味にしたいときは、明太子多めとか、そんな感じ?
U : そう。 よ~く混ぜてなめらかにするのも良いし、あまり混ぜないで味ムラのある感じでも。 味のムラも食べるとき案外楽しいし。
K : 偶然口に入れた部分が「明太子いっぱいだったから当たり!」みたいな?
U : うんうん。 海苔は刻んでトッピングしてるけど、適当にちぎったのを一緒に和えちゃうのもアリ。
K : ふぅむ。 海苔も混ぜ込むスタイルだったら味の配合がより複雑になって「ここは海苔多めで当たり!」とかもありそうだね。
U : ふふふ。 アタリがあるということは、ハズレもあるってことだけどね。
K : あははは。 それはそうだ。
U : でも、人によって味の配合の好みって違うと思うから、自分がハズレだと思ったところが他の人にはアタリだったりもしそう!
K : そういえば、自分以外の味の好みって、服とか持ち物みたいに日常的な感覚として把握しずらいから、ちょっと謎だよね。
U : MALKのみんなで同じ料理を作って、それぞれ味の違いを比べてみるっていうのも楽しそうだよね。
K : 確かに〜
U : 「Kちゃんだったらこんな味付けかな?」って思って食べたら「あ!予想と全然違かった」みたいに、意外性があるのも愉快だし。
K : あははは、それ楽しそう。 今度やってみようか。
U : やろうやろう。
K : とりあえず、わたしは自分好みの里芋明太子マッシュを完成させるところから始めよう。
U : いいね! わたしはKちゃん味の予想をしながら、好みのバランスを追求しておくよ。
K : うふふ、おもしろそう。
U : じゃ、またね~
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
すっかり圧力が抜けて静かになった鍋の蓋を開け、神妙な面持ちで手を伸ばすUちゃん。
指先でつるりと簡単に皮が剥ける柔らかさ、艶やかな里芋の姿を確認し、
理想的な加減で蒸しあがっていることに、すっかりご満悦のようす。
鼻唄を歌いながら里芋マッシュにとりかかる姿は、なんともご機嫌で楽しそう。
Uちゃんのこの密かなる里芋ブーム、おそらくもうしばらくは続くことになるのでしょう。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです