イマジネーション料理部#11
料理研究家でもプロの料理人でもないただの自炊料理人Uちゃん。
UちゃんとKちゃんの会話を通じて織りなすお料理ストーリーがはじまります。
EPISODE 11
「ねぇ、いまハマってるものある?」から始まるクラブ活動
ー 新鮮!柚子の香りのいつものおかず ー
ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン
のどかな休日の昼下がり。
MALKスタッフUちゃんの大好きな、穏やかでのんびりとしたひととき。
どこからかお馴染みの着信音(イヌの鳴き声)が聞こえてきます。
ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン ワン・ワンワンワン
ほやほやと湯気のたつマグカップを握りしめつつ、電話を手にとるUちゃん。
ワン・・
U : はい。
電話の主はいつも通り、MALKの同僚Kちゃんだ。
K : あ、もしもし、Uちゃん? いま何してるの?
U : 何もしてないよ。 ちょうどお茶飲もうとしてたところ。
K : そっか。 寒い時期は暖かい飲み物があると幸せだよね。
U : うん。 今年もいろんなお茶を楽しんでるよ。
K : 去年は確かハーブティーに夢中だったけど、また新しいの見つけてる?
U : 見つけてるよ。 お茶ってほんと種類が多いから全然飽きないし。
K : また今度オススメ教えて。 ねぇ、ところでUちゃん、いまハマってるものある?
そう、Kちゃんの話はいつだって急展開。
でもそんなことは全くお構いなしで即答するUちゃん。
U : あるよ。 柚子の皮。
K : ほー。 そうなんだ。 柚子の皮ってすごくいい香りだよね。
U : ほんとほんと。 あの皮に包まれて眠りたいくらい。 ちょうど表皮と果実の間のところも白くて綺麗だし。
K : ふふふ。 わりと柔らかそうだし良いかもね。
U : あーーーっっ! いま飲んでる紅茶にも入れちゃおっと。
K : びっくりした。 なにそれ!? いきなり。
U : 最近さぁ、この香りに魅了されすぎて何にでも加えてみたくなっちゃうの。 いろんな料理にも入れてみてるんだ〜。
K : ふ〜ん。 そうなんだ。 いろんな料理って例えばどんなもの?
Kちゃんは、いつでもなぜか同僚Uちゃんの自炊料理に興味津々。
その様子を聞いてみるのも、すっかりクセになっているようだ。
U : とにかく可能性感じるものには何にでも。
K : 何にでも!?
U : そう。 もしかしてこれは・・・と思ったらとにかく入れてみてる。
K : 相変わらずUちゃんは勇気があるねぇ。
U : 美味しさの探求に恐れを感じないタイプだからね。
K : あははは。 そうかもね。 一番最近美味しかったのは何だった?
U : そうだなぁ。 汁もの系にもいいし、おやつ系にもいいし・・・
K : そっか。 案外何にでも合わせやすいんだ、柚子の皮。
U : うん。 そうなの。 あ、春菊の胡麻和えも美味しかったよ。
K : ふむ。 全然イメージしてない方向だったから、ちょっと想像してみよう。
U : 春菊のほろ苦味と、胡麻の香ばし風味、甘辛い味つけに柚子の香り、色も綺麗で最高だったなぁ。
K : 確かに。 しかも、いつもの味付けでも柚子が加わるとまた全然違う新鮮さありそう。
U : Kちゃん!!
K : なになに!? どうしたの?
U : なんかイマジネーション料理能力、上達してきてる感じするね。
K : ハッ! そうなのかも。 最近ちょっと楽しくなってきてるし。
U : つくらないで想像するだけでも楽しいよね。 さっきのKちゃんの感想、まさに的を得た内容だったし。
K : あ、そうなんだ。 私ってすごいね。 あと、ちゃんと想像できてると、実際美味しくつくれることも多い気がしてる。
U : え! つくってたんだ!?
K : うん。 結構つくってるよ。
U : そうなんだ〜。 じゃあ、柚子の皮は薄めに削いで、縦長に細かく刻むと色も形も綺麗だし使いやすいよ。
K : ねぇ、つくってないと思ってたでしょ?
U : うん。 わりとテキトーに教えてたとこある。
K : あはははは。
U : Kちゃんの料理、どんな味になってるか興味ある。
K : だいたい美味しい味になってるよ。
U :それなら良かった。 春菊の胡麻和えに柚子の皮入れるのもやってみて。
K : うん。 いまから買い物行くから春菊と柚子探してみる。 じゃ、またね〜
U : ばいば〜い。
のんびり穏やかな休日の昼下がり。
柚子の皮を加えた紅茶にお砂糖を入れてかき混ぜながら、
夜ご飯のメニューについてぼんやり考えるUちゃん。
クリームシチューにも柚子の皮を入れたら美味しそうだなぁ。
牛乳、小麦粉、バター、鶏肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも・・・
うむ、材料も揃っているからつくれそうだな。
ウキウキした表情でちょっぴり冷めた紅茶をひと口啜り、その顔はじつに満足げ。
Uちゃんの柚子の皮チャレンジは、もうしばらく続きそうな予感です。
とある休日の昼下がり
MALKスタッフUちゃんとKちゃんにより密かに行われているクラブ活動
それが、イマジネーション料理部
つくるひとは、料理研究家でも(もちろんプロの料理人でも)ないMALKスタッフ
一般自炊料理人、Uちゃんのつくるお料理を
Kちゃんと一緒にイマジネーションして楽しんでみませんか?
この新感覚のお料理コーナーは、またいつか更新される予定です
次回もどうぞお楽しみに
※ この物語は、事実を織りまぜたフィクションです